散歩の記録 2024年6月21日

雨に濡れたコンクリートの壁を見て「おおお、絵画!絵画があるぞ!」と驚き、自分もびしょ濡れになりながら夢中で写真を撮った。
中央の黒い染みが歩いている男の後ろ姿みたいだ。その右の染みも背後でひそひそ話をしている人々に見える。
画面の上部 1/4ほどがどす黒いので、中央の人のシルエットにも重なって、見ていると頭上から圧迫されるような重苦しい感覚がある。
全体にまぶされた苔の粗密のランダム加減が絶妙で、鮮やかな黄色や深い緑、明るい緑などバリエーションがあるのも芸術点が高い。
ふわっとした苔の視覚的感触の奥に、白い壁のガサガサした荒ぶる表情がある。壁には水平方向についた細かな傷があり、銀色に光る水面のようでもある。苔との対比が強烈で見飽きない。
眺めながら鴨居玲の絵画を思い出していた。